カテゴリー別アーカイブ: 生物統計

有名科学誌「ネイチャー」と「サイエンス」に関連し、論文執筆について思うこと

最近心待ちにしているものがあります。それは、科学誌「サイエンス」が届くこと。

先日「あるスカラーシップにノミネートされました」と学校からメールが届きました。サイエンスの無料購読が主な特典のようです。

サイエンスといえば、研究者の憧れの科学誌ですよね。わたしのこれまでの仕事は、サイエンスとそれほど縁のない分野、生物統計学、その臨床応用が主でした。なので、このような雲の上(?)の存在である科学誌を届けてもらえるということで、ワクワクしています。 続きを読む

日曜日の創作活動

こんにちは。独身のころのアメリカでの大学院生活は、週末は勉強の遅れをCatch Upしたり先取りして勉強できる、ありがたい大事な時間でした。しかし、幼児期のこどもがいると平日と週末への思いは逆転します。 続きを読む

認知症の予測にアミロイドβ:PET診断ありきの話?

こんにちは。今日はアルツハイマー型認知症の早期予測のニュースについて、本当?とすごい!と感じる点を話したいと思います。 続きを読む

iPS細胞による治療の安全性とパワー50%以下について

今回の話題は、世界初iPS細胞を用いた臨床研究の責任研究者(PI)のツイッター上のコメント、治験デザインの統計学的パワーと呼ばれるもの、そしてPIのコメントにおける考察です。

最近、iPS細胞の臨床研究(自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植)の1例目において、安全性が確認されたという次のようなコメントがツイッター上にありました。 続きを読む

デジタイズド・メディシン:ビッグデータと薬の開発

うちにはIEEE(アイ・トリプルイー)から会報誌IEEE SPECTRUMが届きます。IEEEは電気・電子工学系エンジニアのための学会。集積回路や化学・物理学応用に絡めるトピックが多いなか、今月(2015年6月)の会報誌はビッグデータの医療分野への応用。この特集が面白すぎて、自分なりの解釈を頭の整理のために書いていきたいのですが。

昨日からラボ・ミーティングがはじまり忙しくなるかもしれないのです。そこで、先日の投稿記事「iPS細胞で薬はいらなくなる?」でふれたデジタイズド・メディシンを主に薬の開発の観点から考察します。 続きを読む

ディオバン事件:不正防止策に関する考察

先日の記事で、ディオバン事件を例に不正臨床研究の3要因を考えてみました。特に、統計専門家の倫理観の欠如にフォーカスしてみました。今回はディオバン事件等の臨床研究の不正を受け各方面から提言された不正防止策について考察してみます。 続きを読む

ディオバン事件:生物統計家の倫理観

ノバルティスファーマの降圧剤ディオバンをめぐる臨床研究でのデータねつ造・改ざん事件。アメリカにいると話題をリアルタイムでフォローするのが難しいですが、事件発覚より早2年、統計解析者として関与した元社員の逮捕者も出ましたね。その後立て続けに、武田薬品工業(記事1,2)、東京大学が関与する臨床研究での不正も明らかになったということで、日本の臨床研究に対する世間の目は厳しそう。

世間ではのど元過ぎた話ではありますが、今回は私の視点でディオバン不正事件について考察します。その中でも特に京都府立医科大学による臨床研究(KYOTO Heart Study)に的を絞ってみます。 続きを読む