同時に、PETだけでなく脳脊髄液 (CSF) や血中から検出される脳の神経変性と相関のある物質(バイオマーカー)各種で、どれが、またはどんな組み合わせが将来の認知障害予測として有用なのか特定しようという研究が行われているのですね。例えばアミロイドβのアイソフォームは、バイオマーカーの一種です。
これらの理解をもって、最近の下記ニュースを改めて読んでみます。
— 毎日新聞「アルツハイマー病:予備軍 血中のたんぱく質量測定で判定」
— 日経デジタルヘルス「認知症の兆候を血液検査で、精度80%で識別」
— 日本経済新聞「血液検査で分かる認知症リスク 約100施設が実施」
— 日本経済新聞「アルツハイマー病の前兆、血液で把握 国立長寿医療センターなど」
すると、私の読み間違いだったと思われる一番目のニュース (毎日新聞) は、PETによるアミロイドβ測定ではなく、血中のバイオマーカーとしてアミロイドβを検査することで、健康なひとが認知症予備軍かわかるかも、というニュースだったと分かりました。日本の認知症研究も大々的に進んでいるようですね。
2番目のニュース (日経デジタルヘルス)は、”アミロイドβを排除したり毒性を防御したりするたんぱく質各種(シークエスタータンパク質)”がバイオマーカーとして開発された話です。このニュースの筑波大の論文ではROC解析もしていてthoroughな感じがします。