ディオバン事件:不正防止策に関する考察


私が今後学ぶ臨床薬学分野において臨床薬理という種類の臨床試験がありますが、これは医師主導でもなければ統計専門家が入っていないものもあります。臨床薬学の大学院プログラムでは、統計も教えるし、アメリカでは薬剤師や看護師など医療資格者があれば(医師でなくとも)臨床試験を実施できるのです。

つまり、臨床研究の統計解析は統計解析の有資格者でなくても良いのです。統計解析をすることは医療のように命を扱うものでもなければ危険物を扱うものでのないので、手法が正しければ有資格でなくても良いと個人的には思います。

但し、先日の投稿で述べたように生物統計の学位を持つものには、誇りと責任の自覚がでてくることからも統計解析の仕事の質が高くなるでしょう。そういう意味で、資格をとるより学位をとるほうが良さそうです。コーネル大学の統計学科には1年で修了できるプロフェッショナルスタディー・マスタープログラムがありますが、このように短期で濃厚に統計のスキルを身につけるプログラムが日本にもあれば良いですね。またそのようなプログラムでは理論だけでなくコンサルティングやプログラミングスキルのような実践も教えるのが重要です。

生物統計家のアカデミックのポストの話になりますが、冒頭ふれたように、アメリカでは生物統計家を雇うにはお金がかかります。

アカデミアではたらく生物統計家はどのくらい給料を貰うのでしょうか。2015年3月のAMSTATNEWSの統計によると、生物統計学科に所属するFacultyのうちインストラクターは92,200ドル、助教授の初任給105,000ドル、准教授1年目130,300ドル、教授1年目177,800ドルが年収の中央値です。また、Non-Facultyとして働く統計家では、修士卒6-10年目で76,400ドル、博士卒(経験年数不明)で84,200ドルが中央値です。

1ドル120円換算すると、経験の長い修士または博士の生物統計家のうち真ん中に位置するひとは、年収900万円以上あるということですね(自己申告者だけの統計なのでバイアスがある可能性はあります)。日本の教授の給料がアメリカの助教授の給料と同じとどこか忘れましたが書いてあったので、おそらく日本で考えられている生物統計家のポストとアメリカのポストでも待遇に同様の開きがあるのではないでしょうか。


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