認知症の予測にアミロイドβ:PET診断ありきの話?


そんな二つの背景から、自分の中で「アミロイドβをPETで診断することで、健常人の将来アルツハイマー病リスクを予測できる」と発表されたとあるニュースを見間違えてたかもしれないですね(本当は血液検査、「あるニュース」は後ほど紹介)。

しかし折角なので、健常人におけるアミロイドβ蓄積量から将来の軽度認知障害(MCI)が予測できると実証されているか、について調べてみることにしました (概要だけで良ければ、7ページ目の5項目まで飛んでもよいかも。。。)。

 

  1. 健常人におけるアミロイドβ蓄積量からの軽度認知障害(MCI)予測 をたどる–その1

まず、先の問題に答えるために何より注目すべき情報は、健常人でのアミロイドβ比較研究の論文が存在するかということでしょう。なぜなら、健常人のアミロイドβ量が将来の認知症の原因になっているかなので、健常人について調べる必要があるからです。

理想的には疫学研究で、(1)研究の対象はスタート時点で皆健常者であること(認知症がないこと)、(2) 将来にわたって追跡する試験であること(前向き研究)(3)測定項目はアミロイドβであること、そして(4)将来認知症を発症している群と発症していない群で分けたときにアミロイドβの量(または有無)に統計的有意差があること、を示した論文を見つければ良いわけです。

つまり、そのような論文が十分な統計的パワーを持って有意差を証明していれば、健康な人でアミロイドβを測定することでアルツハイマー病のリスクの有無が言えるということになります。


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