iPS細胞による治療の安全性とパワー50%以下について


今回の話題は、世界初iPS細胞を用いた臨床研究の責任研究者(PI)のツイッター上のコメント、治験デザインの統計学的パワーと呼ばれるもの、そしてPIのコメントにおける考察です。

最近、iPS細胞の臨床研究(自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植)の1例目において、安全性が確認されたという次のようなコメントがツイッター上にありました。

 

”自家移植は1例でも(略)我々の考えていた通り、iPS細胞を用いた網膜の治療は、安全にできるということです”。

続いて、”1例だけで安全なんか言えるのか、と何も知らないのに苦々しく思ったあなた。それが新しい治療をそして日本の脱皮を阻害してます。”というコメントがありました。

うーん、しかし、たった一例なので治療自体については安全性があるともないとも言えない。

iPS細胞に関する研究で、臨床段階まで進み1例で安全性が確認できたのは、iPS研究に携わるひとにとって感無量の出来事だと想像します。実際、臨床研究の現場で研究者として現象を評価すれば驚きに近い感覚もあるのかな、凄い世界ですよね。

にもかかわらず、科学的に治療の安全性を裏付けるにはデータがまだ足りないということは事実だと思うのです。

1例中1例で安全性が確認されたから、治療の安全性は100%であると早合点してはいけません。


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