認知症の予測にアミロイドβ:PET診断ありきの話?


様々あるなか、全体的な結論は、「ピッツバーグ・コンパウンドBによるPET解析 (PiB-PET) がアミロイドβ量(連続値)、認知スコア、そして脳の構造的変化の知見を得るのに健康なひとにおいて有用である」となっています。

ですが、結局、理想的な「前向きの疫学研究」は2009年の時点では結果が示されておらず、健常人におけるβアミロイド蓄積量から将来の軽度認知障害(MCI)が予測できると実証されているかといえば、言えないようです。

余談ですが、同じ測定値(アミロイドβ)でも、2群に分けたときと連続値で扱ったときとで、目的の変量(認知スコア)と相関関係があったり無かったり、食い違うことよくあります。もっというと、連続値として扱うときだけ、有意差のある結果になることが多いと思います。統計的にそうなるのは必然のような気もします。

そこで本当は、アミロイドβの有無の2群に分けるよりも、アミロイドβ値の「最適な閾値(境目の値)」をROCという手法で探すと科学的に面白そうなのですが、その解析はやっていないのかもしれないですね。

ともあれ、この論文から別の収穫として、理想的な前向き研究としてメルボルン・ヘルス・エイジング・スタディ (Melbourne Healthy Aging Study) という試験が行われているらしいと分かりました。そこで次にこの情報を求め下記の論文を見つけました。

 

  1. 健常人におけるアミロイドβ蓄積量からの軽度認知障害(MCI)予測 をたどる–その2

Rembach et al. Changes in plasma amyloid beta in a longitudinal study of aging and Alzheimer’s disease. Alzheimers Dement. 2014 Jan;10(1):53-61. 

研究のスタート時点で健常人が577名、わりと大きな試験です。スタートから18ヶ月目の時点において、PiB-PETでのアミロイドβの蓄積、血中のアミロイドβ関連各種タンパク質、認知度 (neuropsychological assessment)を評価している試験でした。


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