タグ別アーカイブ: 倫理観

iPS細胞による治療の安全性とパワー50%以下について

今回の話題は、世界初iPS細胞を用いた臨床研究の責任研究者(PI)のツイッター上のコメント、治験デザインの統計学的パワーと呼ばれるもの、そしてPIのコメントにおける考察です。

最近、iPS細胞の臨床研究(自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植)の1例目において、安全性が確認されたという次のようなコメントがツイッター上にありました。 続きを読む

ディオバン事件:生物統計家の倫理観

ノバルティスファーマの降圧剤ディオバンをめぐる臨床研究でのデータねつ造・改ざん事件。アメリカにいると話題をリアルタイムでフォローするのが難しいですが、事件発覚より早2年、統計解析者として関与した元社員の逮捕者も出ましたね。その後立て続けに、武田薬品工業(記事1,2)、東京大学が関与する臨床研究での不正も明らかになったということで、日本の臨床研究に対する世間の目は厳しそう。

世間ではのど元過ぎた話ではありますが、今回は私の視点でディオバン不正事件について考察します。その中でも特に京都府立医科大学による臨床研究(KYOTO Heart Study)に的を絞ってみます。 続きを読む