iPS細胞による治療の安全性とパワー50%以下について


「ディオバン事件:生物統計家の倫理観」等で挙げたように、臨床研究や治験の不正が近年続出し、世間の目が厳しくなっています。これは患者を守る倫理的観点から、あるべき反応と思います。

治験での仕事を通して、治験に参加する精神というのは本当に尊敬に値します。難治性疾患に対する新薬の治験であれば、自分が助かるという希望もあるでしょうが、将来の患者さんのため、科学の発展のために治験に参加するという気持ちも多かれ少なかれあるそうです。

特にアメリカの患者さんたちは、「米国のボランティア活動についての考察」で書いたようにプロテスタント的な精神もあるのでしょうか。日本のiPSの臨床研究の1例目となった患者さんも貢献の気持ちが同様にあったかと思います。

そんな患者さんたちの科学に貢献するという思いを最大限尊重するには、治験の実施方法、科学的および統計的妥当性を確認しなければなりません。現実の確認には行政の審査が関わってきます。

これらが総合的に治験の倫理性を担保するシステムになっています。

わたしは再生医療とは別分野にいますけど、どんな分野でも今の時代に活躍される研究者は興味から注目してしまいますよね。そういう意味で、冒頭のツイッターのコメントは少し残念に思いました。再生医療等製品に対するある意味「ゆるい規制」が将来安全性に問題を起こすことないように、また研究者からは倫理性も考慮した (GCPの精神に準ずるような) 冷静なコメントを聞きたいですね。


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