責任の範囲:薬剤師が注射を打つことからの考察


アメリカでは薬剤師が患者に注射を打つことができます。アメリカで生活したことのあるひとは、薬局で予防接種を打ってもらえることに驚いた経験があると思いますが、そうなのです。

注射に限らず、アメリカの薬剤師の責任と裁量の範囲は日本の薬剤師のそれと比べて大きいです。Pharmacist Magazineによるとアメリカの薬剤師は「処方権」というのがあるのですね。”医師から権限の委任を受けて処方を書くことができる”のだそうです。これはすごいですね。もちろん日本では出来ないことです。

 

これらの責任と裁量はすべて、アメリカの薬剤師が権利として獲得したことと言う事もできるでしょう。「働き方の自由」の記事で、責任を伴う仕事が獲得することで働き方の裁量も獲得できる、と述べましたが、これはアメリカの薬剤師にも当てはまると感じます。

また、職業における責任の高さは給料にも反映されていて、政府機関の統計(Bureau of Labor Statistics) によると2014年の年収が中央値で120,950ドル、つまり約1450万円(1ドル=120円換算)と高額です。面白いことに、Forbesの記事「The Best Healthcare Jobs In 2015」のスライドでは、薬剤師は接種業務をするイメージが使用されています。アメリカの一般人にとって薬剤師はそういうイメージがあるということですね。

日本も薬学科が6年制になって久しくなりましたが、それでも教育年数で言えばアメリカのほうが2年長い(大卒資格+4年制PharmD教育 = 8年間の高等教育)ためか病態に関する知識量が豊富です。先のPharmacist Magazineには、アメリカの薬剤師の教育や業務の詳細がありますが、私はこれらのことを大学院で間近に実感します。


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