日本の働きかたも最近はかなり自由になっているのかもしれないですね。フレックス制導入や年俸制などの形態が採用されて久しい会社もあるでしょう。しかし介護など特別な理由なく、正社員ましてや総合職が在宅勤務できるまでの自由はきっとないですよね。
わたしは大学院時代、Stipendと呼ばれる月給をもらうため週の半分をリサーチャーとして大学で働いていました。わたしの職場は、アカデミアの中でもリサーチトラックと呼ばれるキャリアコースにいる人たちがフルタイムで働いていました。事務、リサーチャー、プロジェクト・マネージャー、データマネージャーやITサポートの人たちは大卒、それら以外のポスドク、リサーチ・アソシエイト、助教授以上は院卒となっていました。
共有オフィスで働く修士卒のひとたちは、毎朝8時か9時ぐらいから来てパソコンに向かっているようでした。しかし、あるとき気づいたのです。個室オフィスを持つ博士卒のフルタイムはかなり働き方に裁量を持っていることを。
これは、わたしのボスが退職してしまって、新しいリサーチ・アソシエイトと働き始めてからのことです。わたしの旧ボスは生物統計の助教授で授業を教えたりコンサルティングしていたのでオフィスにいないことが良くありました。それに対して、新しいリサーチ・アソシエイトはわたしと同じプロジェクトでしか働いていないので、丸一日オフィスにいないはずはない。
しかし、彼女のオフィスを訪ねてもよくいないことがありました。なのにメールの返事はすぐ返ってきます。そしてメールにはこう書いてありました。
「金曜日は会議もないし、在宅で働くことにした。」
旧ボスのもと専属で働いていたわたしは、ボスがいなくなり複数のひとと関わるようになりました。するとそのうち、更にほかの博士たちも週一、自分の裁量で在宅で働いているようなことが分かってきました。
なんだか自由だな。おそらくアカデミアだし少し裁量もあり週一在宅で働いてもいいのだろうな、と思っていました。
大学院を卒業することになり、将来の職場となる研究所で受けた就職面接で、面接官がこういいました。