責任の範囲:薬剤師が注射を打つことからの考察


さて、同じ薬学でも研究の話になりますが、わたしのPhDの専攻は臨床薬学なので、フォーカスは臨床になります。臨床試験や臨床研究などが頻繁に行われている分野です。

臨床試験の仕事をするひとは良くわかると思うのですが、患者さんという人間を対象にする研究であると、観察すべき時間にデータを観察することが現実的に困難ということがでてきます。

例えば、研究の精度のために本当は何日か来院観察すべきだが、患者さんへの時間の負担がありすぎる、などです。

さらに採血 (phlebotomy) が必要であれば、倫理性を保つためにも採血への手続きは適正にされなければいけません。採血をするために承認された者と場所(病院等)の確保が必要で、患者さんにとっては更に別の場所に移動する負担がでてきます。

ここで解決方法のひとつの可能性として持ち上がるのが、臨床試験や臨床研究の研究者自身が採血を行うというものです。患者さんを採血のために他の施設に移動が必要なく、他の観察項目と同様の場所で採血できれば患者さんの負担を抑えることができます。

そして、冒頭の話と関連しますが、わたしの専攻にいる学生の半分はPharmDを取得した薬剤師なので、研究者自身が薬剤師でもある場合は採血を研究者が行うことが可能なのです。


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