アメリカで博士号をとる日本人、理系?文系?


企業のサイエンティストを迎えたセミナーも時々授業でありますが、大学の教授や企業のサイエンティストの目は、研究開発でイノベーションを起こし、ICHガイドラインを改善していくアメリカとヨーロッパに向けられています。これら研究開発のイノベーションはアカデミックでも産業界でも国際交流のできる博士たちによって起こされるものではないかと想像しています。日本は、行政の遅さも伴って、日米欧という枠の中で改定されていくICHガイドラインに追随しているだけの印象を受けてしまいます。

世間的には、ICHガイドラインに反映される研究より、新薬開発でブレークスルーを起こす研究をしたほうがよっぽどいいいと思われるでしょう。

それはそうですが、アメリカの大学院で学んでいる者としては、ヨーロッパが対等な存在である一方、日本の存在感の無さがさみしいのです(笑)。

大学院の国際交流の話に戻りますが、日本の大学院のセミナーなどに海外から講師を招いて最新の研究の話を聞くというのはとても刺激になると思います。日本でどのくらい、国際交流がされているか分かりませんが、おそらくネックは英語だろうと思わせる話があります。

ドイツ人のある有名大学の教授が、東京大学の大学院(理系分野)のセミナーで英語で学生に話をしたそうです。ドイツ人の英語は日本人にはわりと聞きやすいと思います。そのプレゼンの中で、何かが「runs fast(速く走る)」と話した時、半分の学生がキョトンとして理解していなさそうだったと言います。そこで彼は、指でトコトコ走るジェスチャーを交え、もう一度ゆっくり、「runs fast(速く走る)」と言いました。

このシーンを想像すると笑っちゃいますが、実際にはまだ多くの学生が彼の言った簡単な英語を理解していなかったそうです。天下の東大での話です。彼は、日本の大学院で話をしても英語の理解力がないのでコリゴリと言っていました。日本のアカデミアに愛想を尽かしているようでした。

英語力のなさから、アカデミアの質まで見下されるとしたら、とても残念です。先日の「英語力はどれほど重要か」でも書きましたが、英語はやはり大事ですね。理系だってです。


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