実際、ペンシルバニア州のような薬剤師の環境が発展途上の地域は、PharmDプログラムで学んだ大量の知識・理念と、職業現場のルーチン的仕事に乖離を感じるのだと思います。
話をした臨床薬剤師によると、カリフォルニア州では全米トップのPharmDプログラム中心に地域の薬剤師業務の改革を牽引しているし、ミネソタ州も臨床薬剤師の育成と雇用が進んでいるということでした。
要は、アメリカでは西海岸や中西部のほうが、東海岸よりも薬剤師の業務内容が先進的でリーダーシップが発揮できているようです。
わたしが見学した病院の臨床薬剤師は2人しかいませんでしたが、徐々にポストを増やしていきたいそうです。
アメリカの薬剤師に興味があるひとは、シャドウイング・プログラムに申し込んでみるのもいいでしょう。但し、病院の院内薬局だと予防接種など色々クリアしておかなければならないことはあります。
以上ですが、わたしはアメリカの薬剤師のシャドウイングを通して、PharmDでなく薬学のPhDプログラムを目指すことに決めました。PharmDプログラムの受験には、アメリカの大学の単位が多数必要ですが、PhDプログラムだと日本の大学を卒業していれば良いので、その点では負担が軽くなりました。
しかし、PhDプログラムの合格率は1-3%と厳しい数字で、中国やインドから新卒や修士の学生が多く出願してきます。そういう点ではPharmDプログラムを目指すより競争がグローバルになり厳しいとも言えます。