働き方の自由


「わたしは週一は在宅で働いてるの。あなたもそういう働き方ができるわよ。」

彼女は准教授に相当するシニア・サイエンティストです。わたしは就職と同時に遠距離結婚をはじめることになっていたので、そのような働き方は魅力的でした。就職して、実際わたしの仕事内容はほとんど自律していて、上司は監督というより先輩同僚という感じで接していたし、コンピュータへのリモートアクセスもできたし、週一在宅は実質可能でした。しかし実際、週一在宅でよいのは一つ上のポジションに昇格してからというのが暗黙のルール(?)のようだとわかり、週一在宅では働きませんでした。

この研究所では、所属学科から自分へ割り当てられるプロジェクトの数を減らすかわりに、自分で研究費を獲得してきた人には自由度も増し在宅勤務も獲得できるという意味合いがあったのだと思います。

学生時代の職場も就職先の研究所もアカデミアでしたが、製薬業界も実は在宅勤務は交渉次第です。わたしの友人は博士卒ですがCRO(Contract Research Organization: 受託臨床試験機関)に1年勤め、製薬企業に契約社員として移りました。彼女は、朝7時から昼3時まで働き、週一在宅勤務をするといっていました。家でコンピュータに向かっている際は、オンラインで勤務中であることがマネージャーにわかるシステムになっているといっていました。また、メールはリアルタイムに返す必要があります。

しばらくして、彼女は夏休み休暇を利用しアメリカから夫のいる母国に帰ることにし、会社との交渉により夏休みをとったあと、1ヶ月後の退社までそのままアメリカに戻らず在宅で働いてよいことになりました。時差があるので、アメリカで皆が働いていない時間に働くことになります。

複数のプロジェクトを担当して忙しいので、自宅では長時間働いており実際は大変そうでしたが、結局、本人も会社側も双方の希望により退職までの期間を何ヶ月も延長していました。

その後、この友人は妊娠6ヶ月あたりからアメリカに戻って転職活動を初め、新しい最大手製薬企業に就職を決めます。就職して1ヶ月ぐらいで育休に入りました(!)。ちなみに、製薬会社の場合、育休期間は通常6週間です。現在、彼女は子育てをしながら、この会社でも週一在宅勤務をしているようです。


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