老人では体脂肪率が増える


薬物動態という学問は薬学の一分野です。薬が体内をどのように巡り変化するかを学びますが、これは薬の作用を考える上でとても重要。まさに個人に対する薬のさじ加減を知り応用することができるものです。私が二つ目のPhDを目指すのも、この分野での研究し知見を得たいためです。

大学生のころは薬物動態の意義を理解することもなく授業を受け、子供が成人するぐらい月日がたちました。その間仕事上、薬物動態の重要性に気づきつつも独学で勉強するには壁が高く感じました。ラッキーなことに去年秋セメスターよりアメリカの大学院で薬物動態の授業を受けることができました。

ここの授業は教授が本当に手取り足取りというぐらい丁寧に教えてくれて、質問も活発に行われ、学生が鍛えられています。私も授業がきつくて相当ストレスだったのでしょうか、セメスターが終わった直後から帯状疱疹ができてしまったほどです。ともかく以前は薬物動態の論文の用語さえ分からないレベルでしたが、今は論文を読んで議論できるほどのスキルがつきました。

ちなみに、この授業でプロジェクトにレポートを提出する必要がありました。プロジェクトは自分で論文を探してきて授業で学んだことを応用し解釈するというものでした。私は憧れであるUCSFの教授Dr. Leslie Benetが共著者の薬物相互作用に関する論文Changes in clearance, volume and bioavailability of immunosuppressants when given with HAART in HIV-1 infected liver and kidney transplant recipientsBiopharm. Drug Dispos. 2013 November ; 34(8): 442–451を選びました。尊敬する教授の論文を理解し議論までできるようになったというのは、本当に嬉しいです。

若い頃と違い薬物動態の意義も理解してやる気もあったので、薬物動態の授業で4回あった試験はどれも成績が良かったのですが、ひとつ重要な知識が抜けていたために最初の試験問題で回答ミスをしてしまったことが悔やまれます(同時に忘れられない知識となり良かったですが)。その知識とは、今回の記事のタイトルにあるように、人間は老化によって体脂肪率が増加するということです。逆に赤ちゃんでは体脂肪率が低く水の割合が相対的に高いです。


にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ ブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です