効果的プレゼンテーション:欧米プロフェッサーの目


効果的プレゼンテーションのコツ

  1. ポイントを絞る。— スライドで何がポイントかを述べる。テクニカルな詳細を全て話さない。
  2. 比較する。—自分の研究や手法が、これまでとの比較でどれだか優れているか示す。
  3. テクニカルすぎない。— テクニカルな内容は、重要なものを絞って詳細に説明、あとの部分は概要を話す。例えば、スライドを難解な式やプログラムコードでいっぱいにすることを避ける。生化学で基質の種類を列挙する場合は、なるべく表で見せて、重要な基質だけを指摘する(基質名を全て言わない)。
  4. 略語は必ず説明。— 自分が思っているほど、聴衆は略語を知らない。略語が初めにでてきたスライドで必ず説明すること。
  5. グラフは詳細に。— 折角グラフをスライドに入れるなら、きちんと説明すること。何についてか、縦軸と横軸は何か(単位も含めて)、何が読み取れるのか。
  6. アウトラインとつなぎ。— スライドでアウトラインをまず示すことが多いですが、次の項目にうつる直前にはアウトラインを確認用に再度見せて、つなぎの言葉 (Transitional words)と共に次の項目を明確にさせる。
  7. スライドは綺麗に。— スライドの背景色は白、文字は黒が一番シンプルで良いそう。英語フォントタイプは統一できるならCalibiで。目立たせたい文字は、下線でなく太文字、または赤か青のどちらかを使う。トーンを抑えたいサブテキストには灰色の濃淡を使うのも便利。
  8. ノー!グルグル。— レーザーポインター使用時、スライドの上でぐるぐる回さない(聴衆の目が回る)。指摘したい部分にピタッと当て、そのまま固定しておくかスライドから外す。これを聞いて以降、授業でも教授がこれを実践していると一流なんだなと思ってしまいます(意外にできていないひとが多い)。
  9. ノー!ソフトボイス。— 日本人の英語は、「英語好きが楽しく勉強する方法」の記事に貼ったYoutubeビデオにもありましたが、声に張りがないことが多いです。母国語である日本語が、声を張らず滑らかに話すような言語なのが原因のようです。普段ソフトボイスのひとも、研究発表は自分が一番良く知っていることですから、自信をもって張り切っていきましょう。
  10. 質問はリピート。— 質疑応答では、必ず質問者の質問を「I understand that your question was (質問). Is it right?」などと繰り返した上で、応答します。繰り返さないと、質問が聞こえていない聴衆が内容を理解できず集中力が途切らせてしまいます。
  11. 聞き入れる姿勢。— 質疑応答で、アイデアや改善点を提案してくれたひとに対し、それを取り入れて改善する姿勢を示すような応答をすると印象アップです。日本人がそのような姿勢を英語で表現しきれないと提案を受けっぱなしだと思われてしまうかもしれません。
  12. 無礼者には反撃を。— 質疑応答で、とにかく演者に恥をかかせたいような悪意をもった質問をするひとが時々います。プレゼンは演者の晴れ舞台であることが前提なので、ソフトに時にハードに反撃も許されるでしょう。このような心持で堂々とプレゼンを。
  13. 走らない。— 多くのひとは、練習時よりもプレゼンの速度が速くなってしまうと思います。オーディエンスがスマホやコンピュータをいじり始めたら、それが原因かも。ゆっくりと、抑揚をつけて、要点を明確にして話しているか、落ち着いて自己点検しましょう。
  14. 練習、練習!。— とにかく英語が、発表するだけで精一杯というひとは、繰り返し練習しましょう。わたしは「日本での車椅子移動は難しいと思う」で話した大御所教授から褒められたことがあります。「Ketti、今日の発表は良くできていたな。」「すごく練習しました。」「わたしでもプレゼン前は2回は練習するぞ。」と。わたしなんか20回以上練習しましたとは言えませんでしたけど、ネイティブの大御所教授でも練習するんだなと驚きました。

以上のコツは、やはり日本語・英語どちらのプレゼンでも気をつけたいことなのかなと思えます。しかし、日本人は研究を細やかにするので細部に気をとらわれがちです。プレゼンでも詳細を説明しておかなければ誤解が生じてしまうという心配または義務感があるのか、ポイントを説明してくれないひとが多いのだそうです(日本の学会で発表したことがないので伝聞です)。思い切って詳細をそぎ落としシャープなプレゼンを心がけ、オーディエンスからの良い反応を期待したいですね。


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