変化には必ずついていくべき。


ですが、現状にかかわらず、専門知識を集結し技術的困難をひとつずつ乗り越えながら、in silicoの研究は確実に前にすすんでいるように見えます。前のセメスターで登録したクラス・ジャーナルクラブでは、読んだ論文の多くが、in silicoを取り入れているものでした。ジャーナルクラブに参加していたのは、バイオインフォマティックスに素人で、in silicoに懐疑的な層かもしれない臨床系の学生が殆どでしたが、クラスの課題に積極的に取り入れられていたことからも、いかにin silicoが注目されてきているかを感じ取れました。

ちなみに、ジャーナルクラブでの論文は、臨床薬理・薬物動態に加えて、特定の疾患に対し適応追加が最も適切な薬を探索するドラッグ・リパーパシングといった分野でのin silico研究が多くありました。去年(2015年)1月に発表された、オバマ大統領のprecision medicineに関するイニシアティブの後押しもあって、あらためて注目されてきているのでしょうね。

In silicoも懐疑的向きで一時停滞もあったのかなと想像しますが、この注目されていく流れは、ITの世界でのバブル後の失速からの盛り返しや、免疫療法 (immunotherapy)においての期待の喪失からバイオテクノロジーの進歩による活免疫グロブリン製剤での盛り返しに似ていますね。新しいアイデアに対して技術が追いつくと、急に花開くように見えるのでしょう。

専門知識の結集と技術的革新がこのまま進めば、in silicoと臨床試験の融合がずっと普通になってくるでしょうから、バイオインフォマティックスや統計の専門家だけでなく、医薬系の専門家も新分野であるin silicoを積極的に理解し取り入れ、臨床開発に組み入れていかないと生き残れないぐらいになるかもしれません。

最後に少し話題が逸れますが、技術の革新といえば、親が技術屋である影響で、小さい頃から家電などの新しいものが好きで家電屋さんに行くのが楽しみでした。渡米する直前、十数年前頃から、日本の家電屋さんからパソコンの種類が減り、ワクワクする家電が減り、一時期元気がなかった気がします。


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