米国のボランティア活動についての考察


アメリカはキリスト教の中でもプロテスタントが多いですが、彼らのコアの考えとして「人間は勤勉に働かなくてはいけない、成功しても清貧に暮して寄付するのが良いことだ」、という話がありました。これ自体はいい教えのように思えますが、このロジックでは成功しない者は、怠けていた者という考えにも至ります。

ですから、寄付やボランティア活動は、必ずしも困っている者の需要(不成功者における因果)にリンクするものでなく、むしろ自分の成功の証という意味が強そうです。そう思えば、「ボランティアをする、そんな自分がかっこいい」にも納得がいきます。

世界一お金持ちのビル・ゲイツや、フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグなど、成功者の多くが寄付活動をしたりFoundationを立ち上げていたりします。また、アメリカでは里親になったりや養子をもらうことに積極的で、慈善的行動のように思えます。

しかし、アメリカの貧困率は依然として大変高く、養子は国内の貧困層からでなく海外から迎えたりする矛盾にひっかかり、彼ら成功者が国内問題を解決すればよいのではないかといった疑問を私は長らくもっていました。しかしそんな疑問も「ボランティアをする、そんな自分がかっこいい」と言われれば腑に落ちるんですよね。

以上のように、自分のボランティア体験を通して、アメリカのボランティア活動の臨機応変なマネージメントに感心する一方、成功の証的な考え方に触れ複雑な気持ちにもなりました。ですが、動機がどうであれ、行動を起こし誰かが助かっているという点でやはり良いことです。

日本もボランティア活動が近年盛んなようですし、恐らくかっこいい自分というよりも、崇高な思いで携わっている方々が多いでしょう。そういうときでもボランティア従事者は疲れすぎない程度に、小さくても日々できることをやっていくという活動によりハードルが下がれば成功しやすいだろうと思いました。


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