アメリカの救急事情: 新幹線の事件から思い出すこと


スピーチの記憶にある部分の概要は、「卒業していく君たちは、アメリカは先進国であると思っているだろうが、乳児死亡率 (infant mortality rate) は先進国の中で驚くほど高いことに危機感を感じなければならない。このような問題の解決は、わが国の公衆衛生の貢献に掛かっている。君たちは社会にでて重要な役割を担っている。大学院で学んだことを活かし各々の道で是非がんばってほしい。」というものでした。

まず、アメリカのトップ校、ハーバード・スクール・オブ・パブリック・ヘルスのトップが謙虚に現実を見ているということに驚きました。同時に良いスピーチが自分の卒業式に聞けてよかったと感動しました。確かに、CIA (Central Intelligence Agency) の2014年の統計を見ると、アメリカの乳児死亡率は6.14で169位、日本は2.23で224か国中223位です。

順位が高いほど乳児が死亡するという良くない状況ですから、日本がいかにうまく医療が機能し乳児を救っているかということが分かりますね。

アメリカの大学病院はとても立派で設備が充実していて、先日の記事「薬学科、薬科学科?:アメリカの薬剤師とPhD」で私が大学付属小児病院の院内薬局の見学をした話を書きましたが、薬の数が日本と比べ物にならないほど多いです。

アメリカでは医師の下にPhysician Assistant (またはPhysician associate)と呼ばれる医療行為を一部行えるスタッフがいたり、スタッフの数も多い。こんなに恵まれた環境なのに、乳児死亡率が高いのはなぜでしょう。国民皆保険が無いので治療を受けれない患者がいるということもありますが、救急隊などの初動対応の遅さも大きな要因に思えます。


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