英語論文でのデベロプメントの重要性


英語のライティングでは、文章構成の基本をデベロプメント(Development)と呼んでいます。これを早期から真面目に勉強してきたアメリカ人であれば、大学院で必要な論文執筆においてライティング・スキルが問題で書けないということはありません。

私が最初のPhD取得を目指し大学院で研究していたころ、PharmD課程にも将来行きたかったので出願要件に必要なイングリッシュ・コンポジションを大学生に混じって受講していました。この授業では中間と期末レポートで長文エッセイを提出しなくてはなりませんでした。その他にも毎週短いエッセイの宿題があり授業中は学生同士批評しあいました。自分のエッセイは事ある毎に、デベロプメントが出来てない、デベロプメントが悪いという批評を受け続けました。そしてなんと、中間レポートの結果がまさかのFという成績でした(アメリカの大学の成績は通常Aが一番良くFが最低)。

本分である大学院の研究で忙しかったとはいえ、こんな最悪の成績はさすがにこたえました。デベロプメントって何だろう、色々ネットで調べてようやく自分が切り抜けてきたGREやTOEFL型のライティングのことを言っているのだと気づきました。英語ライティングのデベロプメントは、GREとTOEFLという試験のライティング・セクションで要求される文章構成と基本的に同じといって良いです。留学前のGREとTOEFL対策ではライティングを特に練習したにも関わらず、この知識がすっかり抜け落ちていました。コンポジションの授業で私は正に日本の起承転結型のエッセイを書いてしまっていたのです。

GREやTOEFLのライティングで要求される文章構成の詳細は割愛しますが、「主題(主張)→(各パラグラフ毎に)根拠と具体例(逸話等)→要約」というのが一般的な流れです。このデベロプメントを理解して臨んだ期末レポートにより成績はなんとかA-まで回復しました。要求される文章構成の型を理解していることがいかに大事か身を持ってわかりました。

この経験以降、学術論文でもデベロプメントを常に意識して書くようになりました。また、デベロプメントの出来が悪い部分が、論文の査読者から批判される部分である、ということが感覚的に実感されるようになりました。


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