中国人は、彼らのオープンな国民性からか、2-3年するとディスカッションできるようになることが多いです。しかし日本と同じようにコツコツ暗記重視の授業でディスカッションやグループワークなどに慣れていないのか、または「今ココで考えること」になれていないのか、論述による表現がそれほどうまくありません。英語力の問題もありますが、表現の重要性をあまり実感していないのだと思います。
テキサス大学オースティン校で教鞭をとる教授に、以上の考察を端的に話したところ、面白い答えが返ってきました。
彼女は一学期に授業で300人程度の学生を教えています。大学での中国人の数は少ないですが、彼らは一様に彼女の授業での成績が良くないということなのです。おそらくアメリカ型の瞬発力を評価する授業の進め方に慣れていないのでしょう。
先述のように、アメリカの授業の進度は大変速く、日本で例えば数学のように練習問題を数多くこなし慣れさせることをしません。練習問題を数多くこなさなければ、物足りない気がして実力がつくのか不安になることもあります。しかし、この教授によれば、「練習問題はわざと数多くこなさせないようにしている」というのです。
理由は、同じような練習問題を解いてばかりいると、「考えなくなるから」だそうです。
なるほどー、面白い考えですね!アメリカ人は考えることが好きで、考えることを諦めないで、ディスカッションを楽しんでいるように見えます。そのようにできるのは、高等教育だけでなく、初等教育から訓練されている瞬発力があるからでしょう。この力をもとに創造性を発揮し、実社会ではベンチャーなどの立ち上げも積極的に行われるように感じます。
ただし、しっかりした知識によってロジカルに裏づけできる創造性でなければ、思わぬ失敗がでてくることもあると思います。わたしがハーバードの公衆衛生大学院に研究留学したひとに聞いた話では、研究者の質はピンキリと言っていました。