カテゴリー別アーカイブ: 薬学

アメリカで博士号をとる日本人、理系?文系?

今日の話題はアメリカで取得する博士号、後半部分では理系・文系の区別を取り上げます。薬学大学院、製薬業界、東大の話もちょこっと触れています。

まず、日本人でアメリカへ留学し、博士号をとるひとは毎年どれほどいるでしょうか。ここでいう博士号とは、MDなどの専門職業的ドクター以外で、PhDとかDScとか”Doctor of” とつく学位のことです。 続きを読む

デジタイズド・メディシン:ビッグデータと薬の開発

うちにはIEEE(アイ・トリプルイー)から会報誌IEEE SPECTRUMが届きます。IEEEは電気・電子工学系エンジニアのための学会。集積回路や化学・物理学応用に絡めるトピックが多いなか、今月(2015年6月)の会報誌はビッグデータの医療分野への応用。この特集が面白すぎて、自分なりの解釈を頭の整理のために書いていきたいのですが。

昨日からラボ・ミーティングがはじまり忙しくなるかもしれないのです。そこで、先日の投稿記事「iPS細胞で薬はいらなくなる?」でふれたデジタイズド・メディシンを主に薬の開発の観点から考察します。 続きを読む

iPS細胞で薬はいらなくなる?

iPS細胞で創薬という話があります。iPS細胞は人工の幹細胞、つまり成熟細胞(皮膚の体細胞など)に分化してしまった細胞を遺伝子導入のリプログラミングによって再び分化前の状態に戻し、多分化能と自己複製能を持たせた細胞です。

iPS細胞の創薬における使い方は大きく二通りあるのではないかと思っています。ひとつめは、組織、または造血幹細胞などをiPS細胞から作り上げて、人に移植する。ふたつめは、iPSから組織片などを作製し、それを新薬開発のプロセスで実験材料として使用する。

前者が世間でよく知られている使い方だと思いますが 続きを読む

アメリカで求められる力:アサーティブネス

この週末に公園で娘を遊ばせていると4歳半の女の子が私に話しかけてきました。自己紹介のあと「Are you smart?」と聞いてきます。「I don’t know. How about you?」と聞き返すと「I am super smart like a super hero!」と自信たっぷりに答えました。

この女の子は自分のことを「超かしこい」と表現しています。日米の女性における自信の違いは、もう幼少の時点で勝負ありやなと思ってしまいました。ちなみに、一番気に入っているスーパーヒーローはワンダーウーマン(Wonder Woman)だそうです。 続きを読む

老人では体脂肪率が増える

薬物動態という学問は薬学の一分野です。薬が体内をどのように巡り変化するかを学びますが、これは薬の作用を考える上でとても重要。まさに個人に対する薬のさじ加減を知り応用することができるものです。私が二つ目のPhDを目指すのも、この分野での研究し知見を得たいためです。 続きを読む

英語好きが楽しく勉強する方法

英語の勉強が趣味のようになっているという人は多いのではないでしょうか。留学、就職試験、昇進試験、などなど大切な目標を達成するために英語が必要という人も多いでしょう。しか英語が本当に身につくのは、語彙、文法をふまえて、話し言葉を実際に聞いてみる、使ってみることです。 続きを読む

23andMe(遺伝子検査キット)

諸々な事情で、私はこの秋入学前から薬科大学院(School of Pharmacy)の授業を受けることができています。うちの大学院の講義は、その講義名からは内容が推し量れないものも多く、毎週違った教授が教えるということもざらです。例えば、ある春セメスターの必須講義は合計20人ほどの教授が教えるらしいです。

だから、こちらの学生は頭の切り替えが大変なのですが、講義においては毎年内容を変えたり増やしたりできるというメリットもあります。去年私が受講した薬の開発 IIという講義も、その年からPharmacogenomics(PGx)のトピックが新しく追加されました。 続きを読む

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